「KICKS キックス」感想! ディープなスニーカーマニアのカルチャーから生まれたフッドムービー!

映画感想
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KICKS キックス

どうも、けんせです。

また滞りそうになってますので、短めのを一つ記したいと思います。せっかく見た映画で、少し話したいこともあるのでなるべくパッと見れるものにします。

でさっそく紹介するのは「KICKS キックス」!

前の投稿にも書いたのですが、昨日鑑賞してきました。なんだかいろいろ詰まった映画で、いい意味で期待を裏切ってくれた映画でした。

どんな映画?

カリフォルニアのリッチモンドに住む少年ブランドンは最強のスニーカーを手に入れるが、地元のチンピラ達に奪われてしまう。ブチ切れた彼は友人も巻き込んで、命よりも大切なスニーカーを奪い返す、少年から大人になるフッドムービー!…こんな感じですかね。フッドムービーとは、黒人街を舞台にした青春映画という意味です。

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15歳のブランドンは奪われたスニーカーを親友と共に取り戻しに行くが…。ギャング、麻薬、銃、そして仲間とスニーカー。少年が“男らしくあるべき”という言葉に溺れそうになっている姿をリアルに描いた、心揺さぶるニューエイジ・ブラックムービーの誕生。

この映画を一言で表すと?

少年が落とし前をつけて男になる。そんな映画でした。

 

実際これ途中まで結構勘違いしてたんです。冒頭にブランドンが「宇宙に行ければ」「なめられずに済む」とナレーションが入るので、

『あぁ、この世界から脱却しようとするかんじなんかなぁ』

と思ってしまったんです。ところが、彼はどんどん深みにハマっていくんです。ドラッグや女、車と。

『あれ、ここを変える武器がスニーカーじゃないの?』

と思ってると、あるシーンが出て合点がいきました。個人的にもすごくわかりみが深かったんです。

『なるほど!そういうことか!…でも、どうなるん?』

そして、彼はとある行動に出ます。ここ、監督の実体験がベースになってるそうです。それは少年としての自分の行動とは真逆。

そして彼は過去にきっちり落とし前をつけて、男になっていったのです。

…どうすか、一応ネタバレせずにやってるはずです。

(ネタバレしますが、)僕はこう考えました。

この映画には主人公が2人いると思います。一人はもちろんブランドン。もう一人はフラコなんです。

ブランドン

ブランドンは少年です。すごく痩せて小さく、遠目からは女の子だと馬鹿にされます。彼にしか見えない宇宙飛行士は、彼の心の具現化、つまりここではないどこかでなめられず立派にな男の象徴です。いわば夢です。実際彼は友人と3人でつるんでいますが、どうも弟的な扱いで小バカにされてるんですね。何か揉め事が起こりそうになると、イケメンのリコがブランドンをスッと後ろにやる。で、アルバートと2人で囲って守ってあげる。そんな描写があって、彼は少しふくれっ面。彼らのようになるにはどうすればいいのか。かっこよくて彼らも持ってないスニーカーを履いて男を上げるしかない、と考えてるんです。子ども、というかオタクですねー、なんか。

ここに関して補足すると、これはイーストベイのスニーカーマニアのカルチャーを描いてるそうです。監督自身の経験からこのサブカルチャーを描いたそうです。世間的にはこのサブカルチャーは批判を受けているそうですが、監督は、「靴が漢を作る」というファッションルールとなんら変わらない、批判してる奴らもヴィトンとかにハマってる、それと一緒だよ、と言っていて面白いです。

話を戻すと、ブランドンは自分のほしいスニーカー、エア・ジョーダン1を手に入れるため、一生懸命お金を稼ぎます。そしてついに、念願のジョーダン、それも激レアのブレッドモデルを手に入れます。自分が男である証、勲章のジョーダン。友達も注目し、女の子にも気にかけられる。そんな誇りをあろうことかチンピラに渡してしまいます。ベソかきながら。やっぱり自分はガキのまんまだったのか。そうじゃない、自分の誇りを取り戻さなくては!そして彼は友達も巻き込んでジョーダンを奪還しに行きます。

フラコ

フラコは初めチンピラとして出てきます。ブランドンが手にしたスニーカーを暴力と銃で脅して奪っていき、別のところでは男をボコボコにして金になりそうなものを盗っていきます。凶暴な男で、÷だなあ…違う、そうじゃない。ワルだなあ(すべりましたね、あぁい)、と思っていると、帰宅した彼は寝ている子どもにジョーダンをあげるんです。彼には、実は幼い息子がおり、彼自身が面倒を見ているんですね。

ハードな世界では、金を稼ぐのも命がけです。自分のモノにできるなら盗みだってなんだって手段は選ばない、なぜなら彼にだって守るべき生活があり、彼なりの正義を貫いて生き抜いているんです。

彼が主人公だといってもおかしくないですよね?ここがすごくおもしろいところなんです。

先に言うと、フラコは本名ではありません。フラコとはやせているの意味で要はチビのガリガリ野郎ということです。ブランドンの親戚たちはそう呼んで馬鹿にしてます。

つまり、ブランドンとフラコは実はすごく似ている境遇を生きてるんです。フラコが自分の息子に言い聞かせる時、「自分がチビだからといって負けちゃあいけないんだ」と言います。彼自身がなめられていたからこそ、強くそう思うんでしょう。まさしくブランドンが直面している問題と重なっています。ここ、すごく弱肉強食な感じがあってなかなかに受けつけないかもしれませんが、ハードな世界のフッドが剥き出しになっている瞬間でアツいものがあるんです。

落とし前

ブランドンは執着するジョーダンを取り戻すため必死になります。友人2人も巻き込んで、スーパー危ないおじさん、マーロンの力も借りようとしたりします。(だんだん冗談じゃ済みそうもないものに巻き込まれていくリコとアルバートは面白かった!)

そんな中、彼の変化が如実になるのがドラッグパーティとカーアクション。男の証のジョーダンがなくても、彼は恐れることなく飛び込んでいくんです。このあたり、フラコ側のパーティと被っているのでさらに似ていくのです。ここは成長の過程となるんですが、見てるこっちとしては深みにハマって暗い道を邁進してる感があってなんだか複雑になってきます。だんだん、フラコに似てきている、と。

そしてそれはフラコの家に侵入することで決定的なものになります。彼は自分より弱い子どもを銃で脅し、奪い取る。ここ、自分にされたことと重なります。凶暴なフラコと同化してしまうんです。彼はある種ここでどん底になるんです。友達2人も殺されかけたので離れていきます。マーロンのところに行くと、ほかにも何人も犠牲になったことを知ります。怯えて銃をマーロンに返そうとしますが、「自分のケツも拭けないやつは男じゃない、フラコがまた襲うからそれで守ってろ」と言われます。

彼は自分の行動の結果に向き合うことになります。銃で殺し刑務所に行くか、殺されるか。そこで彼のとる行動。それが銃を捨てて己の力で立ち向かうこと、そして自分の血を流すこと。その結果、自分の夢でもあった宇宙飛行士は死んでしまいます。多分ですが、あれは夢ではなく、逃げだったんだと思います。

ただこれによって、ブランドンは男になるんです。友達に認められ、ジョーダンも守り抜き、このフッドで生きていく覚悟を決めるんです。

そしてそれはフラコも同様です。銃で自分をなめた相手を殺す。それを阻まれます、あろうことか息子の前で。男としての弱さをさらされてしまうんです。だけどそれでもなお父として息子を守ろうとするんです。結局ジョーダンは取り返せませんでした。でもそれは息子からの望みだったんです。息子を抱きかかえ「ごめんな」と涙を流します。父になる覚悟を決めるんです。

電車

最後にここ個人的にすごく好きなシーンなんです。

ブランドンがマーロンの家から電車で帰るとき、一人の青年が向かいに座ります。彼の履いている靴、それは自分と同じデザインのジョーダン。ここでふと我に返った彼は思わず自分の靴を見えないように足を引きます。

ここすごくわかりみが深いんです。オタクの中で異常に盛り上がったものも、一歩外に出れば価値は薄いものになってしまう。なんか夢から覚めた感じ。僕は今沢山映画を見ていて、よく友達に自慢してますが(なんで?)、ふと「それってすごいの?」って言われたときこんな感じになってます。面白いからええねんって言ってますが、足元をすくわれた感ありますね。

 

いかがでしたでしょうか。

何とか短めにしたつもりですが、やっぱ長いwでも、この映画はなかなか面白かったので、興味がわきましたら是非劇場でご鑑賞してください!

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