シシリアン・ゴースト・ストーリー 幻想的で美しい寓話、だけど残酷でおぞましい実話!

映画紹介
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どうも、けんせです。

また投稿がおろそかになりかけてるので、気をつけないと…年末ですけど頑張ります。

もうすぐ月30本観る目標が達成できます!また今度そのチケットの山の写真見せますね。

それで今回は、12月22日公開されたこちら、

シシリアン・ゴースト・ストーリー

こちらの作品を紹介させていただきたいと思います。僕自身、前売り券を買って凄く楽しみにしていた作品で、初日に見てきました!ものすごく素晴らしい作品でしたので、是非観てもらいたいのでここに記させていただきます。

どんな映画か?

1993年、シチリアで実際に起きた誘拐事件から紡いだ少年少女の美しくも切ないラブストーリー

シチリアの小さな村で、13歳の少年ジュゼッペが突然、姿を消した。彼に思いを寄せていた同級生の少女ルナは、謎だらけの失踪を受け入れられず、村の誰もが従う沈黙の掟に抗ってゆく。
ジュゼッペを探すため、ルナは不思議な湖にある入り口から、彼を飲み込んでしまった闇の世界へと下ってゆく。彼女をこの世界に戻せるのは、二人の不滅の愛だけ    

HPから抜粋)

http://sicilian-movie.com

この映画どうだった?

☆☆☆☆☆☆☆☆☆ やられた。こんなに切ないなんて。

こんなにもクラクラさせられるとは思いませんでした。実際に起きた事件をモチーフに作られたというのは聞いていましたが、ここまで幻想的にするとは。そして、その実際に起きた誘拐事件、あまりにも悲惨。本当におぞましい。この映画はその被害者の少年、ジュゼッペ・ディ・マッテオの魂の救済のようなお話でした。

実際の事件

この映画は実際に起きた誘拐事件から作られてますが、この事件、僕は全然知りませんでした。なんせ20年以上も前の事で僕自身生まれてすらいませんでしたし、聞いたことなかったからです。今回パンフやHPを元にすこしまとめて書いてみました。

 

1993年11月23日、ジュゼッペ・ディ・マッテオは警官の制服を着た男たちに誘拐されました。その日、ジュゼッペがよく出入りしていた馬小屋に男たちがやって来て、きみの父親はいま秘密の場所で警察に協力しているから、私達がそこまで連れて行ってあげようと告げました。彼の父、サンティーノ・ディ・マッテオは警察の司法取引に応じマフィアの内情を暴露する密告者でした。何ヶ月も父親の姿を見ていなかったジュゼッペは当然のように男たちの車に乗り込みます。しかし、彼らは実はマフィアで、彼の父の告発撤回を目論んで誘拐したのです。しかも誘拐を指示したのはマフィアの首領ジョヴァンニ・ブルスカ。父サンティーノの友人にしてボスであり、ジュゼッペのことは赤子の頃から知っていた人物です。しかし、サンティーノは口をつぐみませんでした。やけっぱちの誘拐は、779日間にも及びました。隠し場所は次々と変わり、彼は鎖と目隠しをつけられたまま、シチリア各地を転々としていきました。そして1996年1月11日の夜、ブルスカの生地からわずか2キロ、少年の家からは20キロの位置にある人里離れた倉庫で、ジュゼッペは絞殺されます。死体は酸で溶かされました。骨と皮しかないくらいに痩せこけた彼は、30キログラムほどの体重しかなかったそうです。

 

なんといいますか、信じがたいですが、実話です。酷い。惨すぎる。大人たちの身勝手な事情によって誘拐され、救われることなく、死体すらなく亡くなってしまったジュゼッペ。この救いのない理不尽な事件は、シチリア出身でもある今作の監督2人に非常に衝撃を与えました。しかし事件から20年以上経過したいま、日本はおろかシチリアの方も知らない人が多いそうです。

この映画を見終わった時、僕はこの映画から怒りを感じました。最近でも「万引き家族」からも感じたように、この事件を、彼のことを忘れてくれるなという強い想いがあるんです。

 

原作

この映画には、構想の基になったいわば原作があります。

それが「白い騎士」

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マルコ・マンカッソーラによる短編で、イタリアでは社会問題になったそうです。この物語でジュゼッペは、死に瀕する中、同級生の女の子が想像のうちで描いた架空の騎士と化し、彼女を不思議な力で守る存在となるそうです。…ほぼほぼこの映画ですね(笑)このおぞましい事件の現実と虚構の恋の幻想が交差する感じが、この映画の面白いところですね!

 

ルナ

先にも書いた通り、ジュゼッペは実在の人物です。ですがもう一人の主人公、ルナは架空の人物になります。実は彼女には原作以外にもモデルがいるようです。

監督インタビューによると、ジュゼッペの死が明らかになった時のシチリアの新聞に、ジュゼッペの同級生によるアンチマフィアの抗議デモの写真があったそうです。そこにはデモの先頭に立ち、しかも大きな旗を持っていた二人の女の子が写っていました

この話、町でビラを配るルナとロレダーナを髣髴としますね。まあ、それ以外はすべてこのために創造されたものです。この物語を、彼を愛した女の子の視点で語りたかったという想いが込められてるそうです。

 

ここに注目してみて!

この映画はお話そのものがとても不思議で、魅力的です!なのですが、もしよろしければこちらにも注目してみてください!

シチリアの人々

おそらくこの映画で最も恐ろしいのは、主人公たちを取り巻くシチリアの人々、特に大人たちですね。

まずそもそも、イタリアにはマフィアというものがあります。有名なのは「ゴッドファーザー」とかですね。このマフィア、発祥はイタリアの南部、シチリアだそうです。徐々に勢力を拡大し、今は政財界に結びついているという背景があります。このシチリア・マフィアを踏圧するために北の方からいろいろな人が送られたのですが、みんな殺されていて。それに加担したマフィアの一人が、この映画の主人公・ジュゼッペの父親のボスだったということです。また、シチリアのマフィアはボスになっても潜伏しているんだそうです。だからこそ、見せしめとしてあんなことができてしまうのかもしれません。

.イタリア人のイメージとして、明るくて陽気でおしゃべりというイメージがあると思いますが、シチリアの人に関してはあまり話さない、何か訊かれても黙ってしまうというイメージがあるそうです。特にマフィア関係に関しては見て見ぬふりをするという文化があり、だから、みんな見て見ぬふりをするんだそうです。

ここはとにかくシンドイですね。「マフィアの子ども」というだけで、あらゆることからべっ視されている感じ。彼は別になりたくてなったわけではないのにねぇ。嫌な人たちだなと思ってしまいましたね。

それの最たるものがルナのお母さんでしょう。

登場から嫌味全開。ジュゼッペを目の敵にしてルナを責め立てる。口答えでビンタ。普段はサウナにこもりっぱなしで、ルナの成績と世間面しか興味なさそう…悪口すぎる(笑)いやでも本当に嫌な奴です(ほめてます、のはずです)正直怖さすら覚えました。警察署で涙を浮かべるとことか特にね。ここまで突き放された描き方(ルナのお父さんは比較的味方として描かれてるのも相まって)は、ひょっとすると継母なんじゃないかとすら邪推してしまいます。

 

映像

この映画、撮影監督がルカ・ビガッツィという方です。あまり知らない方もいるかもしれませんが、今、イタリアでナンバーワンの撮影監督さんです。「グレートビューティー/追憶のローマ」で名カメラマンとしての地位を確立。この作品はアカデミー外国語映画賞他、名だたる映画賞を総なめにした作品です。是非鑑賞して見てください。

Great Beauty Movie – Entertainment

「シシリアン・ゴースト・ストーリー」では、透明感がある水や森といった自然や、幻想的な雰囲気の漂う映像が堪能できます!

 

もう少しだけ話さして!(ややネタバレ)

最後に少しだけ書きたいのでお付き合いください。少しネタバレしますので未見の方はご注意ください!

この映画実話ベースなんですが、冒頭特になんですが、寓話的なんです。ルナとジュゼッペが深い森で出会うところなんかは鳥やイタチが出てきたりて微笑ましいですね。また獰猛な犬が襲ってきたりします。まるで彼らの生きる世界の縮図のようになってるだけでなく、その後の脅威をも暗示されている。

そしてこの映画、象徴的にが出てきます。離れ離れのジュゼッペとルナ。彼らをつなぐのは夢の中。そしてその中で、水を通して彼らは出会うんです。

この二つ、どちらもを連想するものです。ジュゼッペが死に瀕していることの暗示として。またフクロウも出てきますが、この死と関連付けもできますね。

だけど実はどちらもを象徴してる。夜、夢の中で想像力を働かせてルナは戦います。そして最後、ジュゼッペを救えなかったルナは自殺しようとしますが、水によってジュゼッペと会い、彼に救われるのです。光を取り戻すことができたんです。この二人の愛が遂に成就した切ないエンディングですね。

 

 

…いかがでしたか?

正直、個人的にものすごく好きな映画です!是非皆さんも劇場でご覧ください!あと、よろしければ感想も書いてください、よろしくお願いします。

それでは最後までご覧いただきありがとうございました!

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