デッド・ドント・ダイ ジム・ジャームッシュ最新作はまさかのゾンビ映画⁉

映画感想
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どうも、けんせです。

今回は、以前に見た作品の紹介と感想についてお話していきます。後半ネタバレしまくってるんで、ごめんなさい。それがこちら!

デッド・ドント・ダイ

これは、ジム・ジャームッシュ監督の最新作で、第72回カンヌ国際映画祭オープニング作品で注目を集めた作品です!

ジャームッシュ作品と言えば、独特の語り口やテーマで作られた作品が多く、世界中にファンがいるアメリカのインディペンデント映画界の巨匠です。カンヌでも過去に賞を獲っている程の監督です。

そんな彼がカンヌのオープニングに選んだ作品は、何とゾンビ映画!ゾンビ・アポカリプスを舞台にしたコメディという世界がひっくり返った(?)作品です!

コロナの影響で4月3日公開が延期され、公開が待ち望まれている作品でもあります。

そんな中、先行公開されていたTOHOシネマズ日比谷で一足先に見てましたので、こんな時期ですがせっかくなのでお話していきます!

どうか最後までお付き合いください!

あらすじ

アメリカの田舎町センターヴィルにある警察署に勤務するロバートソン署長とピーターソン巡査、モリソン巡査は、他愛のない住人のトラブルの対応に日々追われていた。しかし、ダイナーで起こった変死事件から事態は一変。墓場から死者が次々とよみがえり、ゾンビが町にあふれかえってしまう。3人は日本刀を片手に救世主のごとく現れた葬儀屋のゼルダとともにゾンビたちと対峙していくが……。(映画.comより抜粋)

この映画、どうだった?

★★★★★★

ジム・ジャームッシュにやられた!

なんだこの愛すべきゾンビ映画!(笑)

これ、はっきし言っておきます。多分大方の人はつまらない映画のはずです。ただ、僕はかなり好きです!なんだろう、多分今後家で垂れ流しになるかもしれない映画ですね…

ジム・ジャームッシュの「確信犯」

この映画は、第72回カンヌ国際映画祭のオープニング作品として出品された作品です。カンヌのオープニングでジャームッシュとくればかなり期待が高まっていたのでしょうが、その作品はまさかのゾンビ・コメディでした。

完全にジム・ジャームッシュによる確信犯的犯行で作られています(笑)

ジャームッシュと言えば、最近日本でも「パターソン」がヒットしたりとまた注目が集まっている、アメリカのインディペンデント映画界の巨匠です。カンヌでも、「ストレンジャー・ザン・パラダイス」でカメラドール、「ミステリー・トレイン」で芸術貢献賞、「ブロークン・フラワーズ」でグランプリを受賞した、まさに常連ともいえる人。

他にも代表作が様々にある、巨匠になりつつあるジム・ジャームッシュ。そんな中この作品は、「俺、こんな映画作る人ですけど?」と、ある種今までの巨匠像を打ち砕いて、自身の作家性を前面に出した作品です。

だから、ジム・ジャームッシュの作品の中では一番作家性が滴っていて、だけど映画としてはかなり歪なものになってしまってるんです。簡単に言うと、ジャームッシュ作品を見たことがある人のなかでも、ジャームッシュのことが好きな人には何か来る作品、とでも言いましょうか…

要は、「何やってんだ(笑)」と言いたくなる作品です。だけど、それがいい!

豪華キャストに何させてる(笑)

さらにこの映画は、信じられないほどの豪華キャスト!ジャームッシュ作品の常連俳優も多数、ハリウッドの若手陣も多く出演。さらにジャームッシュとの友好深いミュージシャン、イギー・ポップトム・ウェイツが「コーヒー&シガレッツ」以来の共演!

そんな面子を引き連れて、ゾンビ映画やってんですからもう可笑しい(笑)イギー・ポップ扮するゾンビが「コー…ヒー…」と発するのはあまりにも可笑しかった!

さらに、ゾンビ映画と言いながら、繰り広げられるのはオフビートな会話劇のコメディ!オフビートとは、音楽において通常とは外れたところに強拍があることから転じて、常識から外れた人間やそのようなものが描かれたものを指します。

映画冒頭では、センターヴィルの田舎町ののどかな風景(一応、このあたりでも夜なのに日が沈まないなど多く違和感はあるんですが)の中、パトロールする警官や、ダイナーの風景、ガソリンスタンドや田舎町に旅行に来た若者たちが描かれるんですが、その会話・行動が圧倒的に不自然(笑)とにかくピントがずれまくってるんです!

そんな田舎町が一変、凶悪事件がダイナーに発生します。なのにここもなんか可笑しい(笑)シリアスにならず、どこまでも狂った調子で突き進みます。ゾンビもゾンビで「コーヒー」なんて言うもんですから、怖さというより「今あいつなんか言った?」「言ったな」という会話になるんです。おかしいたらありゃしない(笑)

さらにこの映画は、しっかりとゾンビ映画のフレームを意識して作られています。ピントが散々ずれてんのに、「頭を殺れ!」としっかりゾンビ退治をするんです。警官トリオのビル・マーレイ、アダム・ドライヴァー、クロエ・セヴィニーは、この映画内(だけでないときも多いのですが)では、とにかく無表情気味の演技デッドパンと言います)をしてます。それと行動のギャップが面白い!

とくにアダム・ドライヴァーは「失礼」と淡々という割に鉈でゾンビの頭を切り落とすんですから(笑)そんなアダム・ドライヴァー、今作でデス・スターのキーホルダーを付けてます(笑)カイロ・レン…

 

そこに葬儀屋のティルダ・スウィントンが日本刀を振るう(ウォーキング・デッド…かと思いきや仲代達也の時代劇「大菩薩峠」からなんだそう。ゾンビ映画じゃなかった…)は、バリケードを張る金具店(ゾンビ死霊のはらわた)など、古今東西のゾンビものの要素がギュッと詰まってます!そういうのをちゃんとやってるのに、なんか絶妙にオカシイのが最高なんです!

 

こんな危機的な状況にも関わらず、加速していくコメディは天井知らず!最終的にはこの映画の脚本、果ては監督自身にまで言及する場面も?続きは、是非映画で!

個人的に好きなのが、アダム・ドライヴァーがモーテルで襲われた若者たちが、ゾンビになる前に首を切り落とすサイコパスなシーン!あのセリーナ・ゴメスの生首を平然と持つアダム!状況考えたら悲惨なはずなのに、どこか笑えるんですよね…てかジム・ジャームッシュ、彼女のファンという割にあの扱いかよ…(笑)

曲が癖になる!

この映画にはテーマ曲があります。その名も、「The Dead Don`t Die」。…この映画と同じタイトルですね。

なんと、手掛けたのはスタージル・シンプソン。グラミー賞を受賞したカントリー歌手です。王道の曲調にぶっ飛んだ歌詞がとてもいいです。

この曲がオープニングに流れるのですが、その後もしょっちゅう流れてくる(笑)いろんなあちこちでかかってくるし、CDはあるし…劇中、アダムが曲に聞き入っていると、ビルが尋ねます。「この曲知ってるのか?」するとアダムは無表情のまま答えます。「知ってますよ。テーマソングだから」

……なんなんだよ(笑)

ここに注目してみて!

ここからは、「デッド・ドント・ダイ」をより楽しむための知識やトリビアなんかを中心にお話していきます。

今の我々を描いたゾンビ

この映画は、ゾンビ映画というジャンル映画の枠をきっちり守った作品であります。過去の監督作「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライブ」はヴァンパイア、「デッドマン」はウエスタンという枠組みを持っています。そこにジム・ジャームッシュ自身の好みや色に描き上げているからこそ、唯一無二の作品に仕上がるんです。

では、ゾンビ映画の枠組みとは何か。それはゾンビが我々のメタファーであるということです。

ゾンビの生みの親、ジョージ・A・ロメロ監督が作り上げた、モダンゾンビが初めて出た「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」、その続編の傑作「ゾンビ」には、明らかに資本主義に対するメタファーがあります。

 

ジム・ジャームッシュ監督は本作の製作中、「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」に非常に影響を受けていたそうで、本作を注意深く見ていると、例えばセレーナ・ゴメスが運転する車が1968年ポンティアック・ルマンだったりするなど、彷彿としたりオマージュなどがたくさんあるのに気づく人もいることでしょう。

セレーナ・ゴメス 可愛い!!!僕もファンです。

 

この映画はホラーではなく、コメディなので、ゾンビの描き方もおかしい描写が多いです。コーヒー・ゾンビシャルドネ・ゾンビファッション・ゾンビもいます。さらにギター・ゾンビサッカー・ゾンビWi-Fi・ゾンビBluetooth・ゾンビ…もうこのゾンビたちが誰のことを表してるのかはお分かりですね。

この映画に出てくるゾンビは、現代の我々なんです。この映画はコメディでありながら、ゾンビ映画としては近年稀に見る程、しっかりゾンビを描いているんです。それがこのように滑稽に描かれているのは、監督には僕らはこのように見えてしまっているんでしょうね…

希望はどこにある?

この映画は終盤にとんでもないぶっ飛びを見せます。ここからネタバレを結構するので注意です。

墓場から蘇り続けるゾンビに町の人が次々とやられ、最終的に警官二人になります。そこにティルダ・スウィントン演じる葬儀屋が現れます。なんと彼女は、地球に音連れていた宇宙人なんです。彼女に呼応するように、出現するUFO。アダムも思わず「こんなの読んだ脚本になかったよ」と言ってしまいます。可笑しいです(笑)しかし、彼女は別に地球を救うことをすることなく、宇宙船に乗って早々と行ってしまいます。

僕はこの時、都市伝説や宗教のお話を思い出しました。地球の最期の日に天が助けてくれるという思想を持つ人が結構いるそうなんです。最後の審判の教えを持つ宗教の思想かもしれませんが、中には過激で自分たちだけ救われればいいという考えを持っている方もいらっしゃいます。映画だと「イット・カムズ・アット・ナイト」が似たテーマを扱ってましたね。

 

しかし映画では、何もせずに去っていく。おかしい場面ですが、ギョッとします。そして警官たちも、押し寄せるゾンビに襲われてしまう…という最後に。ゾンビ・アポカリプスを扱ったコメディにしては、最後は非常にダークに終わっていくんです。

しかし、劇中生き残ってる人間がいます。それが、トム・ウェイツ扮する世捨て人で実は世界の危機を察知していたボブと、ハリウッドの若きスターよりも若い新人の役者陣が演じる、拘留施設にいる子どもたちです。

この映画では、拘留施設に入れられている彼らがゾンビになる姿は描かれてません。これは監督のメッセージで、ティーンエイジャーは概してつらい状況にいるが、彼らこそ次の文化を導いていくんだと語っています。この映画はゾンビ・コメディでありながら、若者達への愛情と未来の希望を託した作品でもあるんです。

最後に

いかがでしたでしょうか?

今回は、ジム・ジャームッシュ監督最新作「デッド・ドント・ダイ」の紹介&感想をお話しました。

「デッド・ドント・ダイ」は近日公開予定となっています!是非、「映画館が営業再開したら観たい映画」に加えてみてはいかがでしょうか?

この昨今厳しい状態が続いており、緊急事態宣言の延長もあります。サザエさんやドラえもんですら、炎上してしまう世知辛い世の中になりつつあります。

しかしこんな時だからこそ、このコロナが終わったらやりたいことを思い浮かべ、未来に明るい希望を寄せて、生き抜いていきましょう。

最後に、撮影中の楽しそうなティルダ様をどうぞ。

それでは最後までご覧いただきありがとうございました!

コメント

  1. […] 映画好きのfree BILLBOARDSデッド・ドント・ダイ ジム・ジャームッシュ最新作はまさかのゾンビ映画⁉https://mirokuunchained.com/%e3%83%87%e3%83%83%e3%83%89%e3%83%bb%e3%83%89%e3%83%b3%e3%83%88%e3%83%bb%e3%83%80% […]

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