東京ゴッドファーザーズ 今敏作品!東京を舞台にした聖夜の奇跡の傑作ドラマ!

映画感想
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どうも、けんせです。

今回は、たまたまこの映画を見る機会に恵まれて、「この時期に観るんじゃなかった!」と思いつつ、紹介していきたいと思います。それがこちら!

東京ゴッドファーザーズ

こちらは日本のアニメ映画!実は見たくてたまらなかった今敏監督作品!今敏作品の中で、やっぱ「パプリカ」が衝撃的だったので何度も見てて、知り合いにこの映画いいよと勧められていたのですが、この度遂に見ることが出来ました。あ、ちなみに、ゴッドファーザーGodfather)は「名付け親」という意味です。

その感想をお話していきます!最後までお付き合いください!

注意です。この作品には、一部今現在(2020年5月)ではある事件と重なる描写があります。これから作品をご鑑賞される際にはそのことをご了承ください。

あらすじ

東京・新宿。自称元競輪選手のギンちゃん、元ドラッグ・クイーンのハナちゃん、家出少女のミユキのホームレス3人は、町の片隅で威勢よく生きていた。そんな彼らはクリスマスの夜、ゴミ置き場の中からひとりの赤ん坊を見つける。ギンちゃんは、すぐに警察に届けるべきだと主張するが、ずっと赤ん坊を欲しがっていたハナちゃんは、勝手に“清子”と命名して大はしゃぎ。結局、ハナちゃんに押し切られる形で3人は自分たちで清子の親探しをすることに。手掛かりはスナックの名刺と数枚の写真だけ。それでも3人は希望を抱いて奔走するのだが…。(Yahoo!映画より抜粋)

この映画、どうだった?

★★★★★★★★★

聖夜の夜に舞い降りた奇跡の連続に感動!

オチもスッキリな今敏作品の中でも凄く楽しい!

初めて観ましたが、やっぱいいですね!もう最高!クリスマスに見なきゃいけない映画がまた増えてしまいましたね~!まじでクリスマスいつまで一人なんだ僕は…

オープニングからワクワク!

今敏作品はオープニングのタイトルの出し方がとても面白いんです。今作では、東京・新宿の街にある看板、ポスター、トラック、バスに色んなところにスタッフの名前が!遊び心があってとても楽しい!

しかも横断歩道の向かいの店には、監督作品「PERFECT BLUE」と「千年女優」のポスターが!後その隣にも「東京ゴッドファーザーズ」も!

しかもその時から、清子が神に愛されているのが分かる描写もちらほら。看板の塗り替えのペンキが、清子を抱えて歩くハナの後ろで落ちたり、横断歩道に突っ込んでくるバイクがギリギリ逸れたりしてて最高!隣のリア充が見事に轢かれてましたね。リア充爆発しろ。

偶然から必然へと変わる脚本の素晴らしさ!

この映画は、クリスマスの夜から始まる、三人のホームレスと一人の赤ん坊が織りなす冒険譚。単なる偶然かと思われてたものが、夜に降る雪のように積もっていくことで、やがて必然へと変わっていくんです。

自称元競輪選手のギン、ドラッグクイーンのハナ、家出少女のミユキという三人のホームレスが、クリスマスの夜にゴミ置き場に捨てられていた赤ん坊を拾います。赤ん坊と一緒に、無記名の出生証と、「1225」と番号が振られた鍵がありました。「私たちの子よ!」と大喜びするハナ。すぐに「清子」と名付け、一晩だけ子守をすることに。翌日、生みの親に返すことになり、一緒にあった鍵でコインロッカーを開けると、親のものと思われる私物と写真、「みどり」と記載された錦糸町のキャバクラの名刺があって…

ここからホームレスたちの赤ん坊をの親を探す冒険になっていくんです。その冒険は、「清子」のもたらす奇跡の偶然と、棚ボタ的な出来事のオンパレード!これがまさにパズルのように収まっていくのは、なんとも痛快!

例えば、お墓で清子の食糧を探してると、ミルクに哺乳瓶にオムツまでセットであったり、車に挟まれていた人を助けると、実はヤクザの組長でキャバクラの経営者のボスだったり、行き倒れていたホームレスを助けると、あるとんでもないものが紛れていたり…すべて神がまるで三人を守っているかのように展開していきます。

そんな冒険の中、三人のホームレスはそれぞれの人生で捨ててきたものに巡り合います。それは「家族」。何の因果か、それぞれは自らの過去に直面せざるを得なくなっていきます。この辺りは、また後でお話します。

だからこそ、クライマックスに待ち受ける展開は凄まじい!色んなことが重なり、すべてが効いてくるこのフリ全回収な展開、そしてラストには見た後思わずにやつくはず!

実写を超えるアニメならではの映像!

この映画はマッドハウスというスタジオが制作しています。このスタジオは、今敏作品のすべてを作っており、他にも数々の傑作アニメを生み出している会社です。

アニメ映画だと、「メトロポリス」や「時をかける少女」や「サマーウォーズ」、最近の「若おかみは小学生!」も傑作でした!

今作では、非常にリアルな東京の街が展開されているんですが、アニメならではの演出が施されているんです。

個人的に好きなシーンの一万円札のシワの形で喜怒哀楽を表現しているなど、戯画化された手法は実写だとかなりきついですが、それだけではないんです。

通常なら、背景は一枚の絵にすべて書き込まれたり、際立たせたいもの周りは抑え気味に書いたりするのですが、そうではなく一つ一つのディテールを細かく再現しているんです。パーツ事で別々に描いて、それを後から重ね合わせることで、カメラの動きに合わせて生じる角度や速度の違いが表現されて実にリアルな映像になっているんです!新宿の都庁からパンダウンする映像とかは分かりやすいと思います。

そして、実在の風景をただ再現するだけでなく、そのシーンに必要な温度や感情を絵の中にうまく溶け込ませているんです。これによってただリアルなのではなく、実写を超えた光と影が作られているので、アニメにしかできない美しくて幻想的な映像になっているんです!

まさしく、アニメならではの表現です!

ここに注目してみて

ここからはこの映画にまつわるお話や、僕の考察をお話していきます。

元ネタ:三人の名付親

この映画には、元ネタとなる映画があります。

それが1948年のアメリカ映画「三人の名付親」(3 Godfathers)。監督はジョン・フォード、主演はジョン・ウェインの黄金コンビの西部劇です。

ボブ、ピート、キッドのならず者三人が銀行強盗を失敗し、砂漠に逃亡します。スイート保安官が追い詰める中、水もない砂漠に取り残された妊婦を見つけます。出産を手助けし、無事男の子を出産しますが、母親は力尽きてしまいます。母親との約束で名付け親になった三人が、慣れない子育てに苦労しつつも、赤ん坊を助けるために砂漠を抜け出す命懸けの旅に出るという物語。

この映画はクリスマス直前の物語。三人の悪党が、子供を助ける、母親との約束を守るために、命を懸けるんです。この限りない善行に、まるで神が応えるかのように、彼らの下に奇跡が起こっていくんです。聖書を基に奇跡が起こっていくので、キリストの生誕祭であるクリスマスとも呼応してますね。

たとえ悪人であっても、良き行いをする者は見捨てられないという考えは、日本の浄土真宗親鸞の教えのようで、日本人にもとても合っているんではないんでしょうか。

キリキリするような展開とラストのハッピーエンドは堪らないので、おススメの作品です!現在Amazonプライムで見放題です!

鈴木慶一とムーンライダーズ

この映画は音楽も素晴らしい!クリスマスの聖歌やベートーヴェンの第九等がふんだんに使われています。ハナがかつてドラッグクイーン時代に歌ってたのは越路吹雪の「ろくでなし」でしたね。

そして音楽は、鈴木慶一ムーンライダーズによって手掛けられています!鈴木慶一は、ゲームの「MOTHER」シリーズや映画「アウトレイジ」シリーズの音楽も手掛けられています!先にも言った「若おかみは小学生!」もそうですね!

この映画はエンディング「No.9」。ベートーヴェンの第九を使うと今敏監督から言われていた鈴木慶一は、同じく第九をアレンジした曲を使っている「時計じかけのオレンジ」を見直したんだそう!

オリジナルではなく、ウェンディ・カルロスのシンセサイザーのアレンジ版から着想を得ているのが面白いですね!

今敏が語る表現とは

この映画の主人公は3人のホームレスです。しかも「カッコいい・キレイ・カワイイ」なホームレスではなく、中年の親父ドラッグクイーン鼻っぱしの強い可愛くないティーンエイジャーです。

よくよく考えたら、こんな人たちをよく主人公にしたなと思いませんか?でもこれは、今監督ならではの表現の可能性の広げ方なんです。

表現は自由である」と言っておきながら、いざ作る時に「なんでアニメで?」と同じ口が言って、自分たちで狭めていると感じられていた監督。表現が無限にあるなら、美少女やロボットとかだけじゃなく、こういうのがあってもいいでしょう、とのこと。今まで使ってこなかった素材や扱ってこなかった題材を扱わないといけない、と。さらに監督は、エンターテインメントでありたいが、世の中が思うエンターテインメント以外にも面白いものがある、とも仰っています。

この作品は、「たまたまアニメになったドラマ」と言ってる人もいます。主人公の設定や赤ん坊の状況だけ見ると、「誰が見るんだ」や「そんなお話にしなくても」といったことは言われかねません。しかし、それがあるからこの映画は面白いんです。誰も見たことない設定だからこそ間口が広げられ、新しく面白いドラマが作られるんです。

この姿勢には頷くしかありません。だからこそ、とてつもなく印象に残る作品ばかりなんですね。

考察:すべてが必然だった—「家族」を求める旅

先程も述べた通り、この映画は偶然が必然になっていく物語です。この偶然とは、2つあると思います。

まずは、「清子の親を探す物語」が「3人の家族を探す物語」になっているということ。偶然発見した「清子」の親を探すという旅は、清子のもたらす偶然に引き寄せられてか、三人それぞれの家族と再び会う旅へと変化していきます。

ギンは自身のギャンブルと借金のせいで捨てた娘「清子」と再会します。ハナはかつて拾ってもらったドラッグクイーンのママに助けてもらいます。ミユキは家出した警察官の父と巡り合います。

捨てられた赤ん坊の親を自分たちの手で探す。それは、かつて捨てた家族を自分たちで探したい、というものがどこかにあったからではないでしょうか。

そしてもう一つの偶然。それは「清子の名付け親になる」ということ。クリスマスの「きよしこの夜」に拾われた赤ん坊は、母親になりたかったハナが勝手に「清子」と名付けます。

この偶然の行いは、やがてある必然へとなっていきます。この旅を通じて3人は「清子の名付け親である」と見せつけることになるんです。

彼らは赤ん坊を命懸けで守り通します。ハナは最後、文字通り飛び降りてまで清子を助けます。あそこの奇跡と、そのビル群の隙間から見える初日の出は感動もの!3人のホームレスは聖人ともいえる行いを経て、その身分でありながら名付け親へとなったのです。

元ネタの「三人の名付親」も銀行強盗を働く悪党どもでした。悪党も清く正しい行いができるのに、ましてホームレスならなおさらでしょう。周りの人間は、ホームレスの行いやただ居ることに、しかめっ面不快感を表しています。自らを良民と信じてやまず彼らを蔑む奴らよりも、ヤクザの方がよっぽどマシですね。

そしてこれは、ある人の願いでもあります。3人のホームレスのうち、ギンとミユキには家族がおり、「家族ともう一度会う」という願いがあります。しかし、ハナには家族はいません。「子を持つ親になる」というのが、ハナの願いです。

つまりこの物語は、4人それぞれの願いが叶う、4人が家族を求める物語だったのです。

願いが叶うクリスマス、最高じゃありませんか?

最後に

いかがでしたでしょうか?

今回は「東京ゴッドファーザーズ」の感想&ちょっと考察でした。

このコロナが収まって東京に帰れたら、真っ先に今敏作品をBlu-rayで揃えようと思います。やっぱ、この人の作品は面白いです!

ちなみに、「東京ゴッドファーザーズ」ですが、2021年舞台化されます!まだまだ先ですが、これは是非見に行かないと!詳細はこちらから!

しかし、本当にこの時期じゃなくてクリスマスに見たかったなぁ…でもこの時期じゃないと見れなかったかもな…ちなみに、現在ではU-NEXTで見放題になっています!

是非ともクリスマス映画に加えてはいかがでしょうか?

それでは最後までご覧いただきありがとうございました!

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