1917 命をかけた伝令 本日公開!新たな戦争映画の金字塔!迫力の世界の魅力にも迫りました!

勝手ながら映画解説
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どうも、けんせです。

本日は、再び試写会にお邪魔してこちらを観てきました!そして本日2月14日(金)公開のこちら!

1917 命をかけた伝令

こちら、今年の英国アカデミー賞で作品賞、監督賞含め7部門受賞本年度アカデミー賞でも撮影賞他3部門受賞10部門ノミネートを果たした新たな戦争映画の傑作です!全編ワンカットで描かれる、第一次世界大戦の戦場。ここを舞台に、ある伝令を伝えるために若きイギリス兵2人がひたすら走り続ける!とのこと。先にあったゴールデングローブ賞でも、まさかのドラマ部門作品賞監督賞受賞したこともあり、非常に気になっていた一本です!果たして一体どうだったのか!感想と、ラストにはネタバレしながらお話していきます!

それでは、いってらっしゃい!

あらすじ

若きイギリス兵のスコフィールドとブレイクの2人が、兄を含めた最前線にいる仲間1600人の命を救うべく、重要な命令を一刻も早く伝達するため、さまざまな危険が待ち受ける敵陣に身を投じて駆け抜けていく姿を、全編ワンカット撮影で描いた。1917年4月、フランスの西部戦線では防衛線を挟んでドイツ軍と連合国軍のにらみ合いが続き、消耗戦を繰り返していた。そんな中、若きイギリス兵のスコフィールドとブレイクは、撤退したドイツ軍を追撃中のマッケンジー大佐の部隊に重要なメッセージを届ける任務を与えられる。(映画.comより抜粋)

この映画、どうだった?

☆☆☆☆☆☆☆☆☆

迫力の映像!響き渡る音!怒涛の展開!エゲツない!兄を、仲間を救うために突っ走れ!

 

これは…まさしく期待以上!素晴らしい作品でした!この時期、オスカー作品群が大挙してやってきます(笑)何見れば良いのか悩んでいる方には一言。この映画こそ、大スクリーンで見るべき映画です!(まあ、全作品そうなんですが)

尋常じゃないワンカットの迫力!

やはり、この映画を語るにこれを言わないわけにはいかないでしょう。この映画は、ワンカットで作られています。宣伝では全編ワンカットですが、一応、公式の方だと「ワンシーンワンカット」となってますよ!まず、ワンカットというのは、映像が途切れることなく続いていくというもの。よく会話のシーンだとお互いの顔を別々に取って組み合わせてるのがありますね。あれをカットと言います。この映画は、それが無いんです。カメラが回り出したら最後、止まることなく映像が紡がれていくんです。これ以外だと、例えば日本では「カメラを止めるな!」の冒頭のシーンでしたり、同じくアカデミー賞を獲った「バードマン あるいは(鞭がもたらす予期せぬ奇跡)」がありますね。一応、予告の段階で昼夜が変わってるのがありますが、これについては後程話します。このワンカットがもたらすもの。いくつかありますが、やはりそれは緊張感。例え何が起ころうと、止まることなく続いていくんです。何かが爆発しようと、飛行機が突っ込んでこようと、例え戦場で誰かが死のうと。この緊張感と、戦場においての臨場感が素晴らしくマッチしていて、圧倒的な没入感を楽しむことが出来ます!この体験、この迫力、凄まじい!

迫力を増す音響と展開!

今回観ていて感じたのが、音が凄まじく強烈なんです!銃弾が弾かれる音爆発音が逐一素晴らしく、何度も何度もビクついてしまいます!ワンカットで繰り広げられる映像、そこにさらに緊迫感を与える戦場の音は注目です!さらに、この映画は第一次世界大戦が舞台になっています。この第一次世界大戦、先に見ましたドキュメンタリー映画「彼らは生きていた」も同じ戦争でしたね。このドキュメンタリーによって、第一次世界大戦がどのようなものだったのか、先に確認できていたお陰で非常にこの映画の世界が堪能できました!

 

簡単に言うと、第一次世界大戦はいわゆる塹壕戦。前線となるところには身を隠し動くための塹壕が掘られています。さらに味方の塹壕の前には幾重にも重なる有刺鉄線のバリケード。これは相手が自軍に攻め入るのを阻止するために張り巡らされています。このお互いの前線と前線の間は、敵味方双方の砲弾によって荒れ果てています。そこに生きている者はいない…こここそがノーマンズ・ランドと言われる場所なんです。今回はこのノーマンズ・ランドを突っ切り、敵の塹壕を超えた先にいる最前線の部隊にまで行かなければならないんです!もう、怖い。彼らが出た先、そこは何が起きてもおかしくない。さらに、この伝令は明朝までになんとしても届けなければならない!果たして間に合うのか…!この緊迫感、まさしくワンカットとマッチします!この体験、是非とも劇場で!大画面&大音響で!

ゾクゾク感、だけでない!

この映画、さらによく作り込まれてるのが、実はストーリーなんです。この映画、アカデミー賞脚本賞にもノミネートされています。それも納得な程、よく出来ています!1917年4月スコフィールドブレイクは将軍に呼び出される。ブレイクのお兄さんが所属する部隊が、敵が撤退しているので明朝に突撃するとの報告があるが、実は敵は撤退していないことを航空写真で知り、なんとか中止を命令したい。しかし、敵の妨害によって電報を送ることができない。そこでお兄さんがいるブレイクとその彼に選ばれたスコフィールドに作戦中止の伝令を渡す。これを最前線にいるその部隊に真っ先に届けるため、危険な地帯もあるが最短距離で行くように指示。もし明朝までに届がなければ、部隊は全滅し、お兄さんも亡くなってしまう…!このように、聞いただけでもハラハラする指令が下るんです。さらにそれを遂行する中で、撤退した敵陣の塹壕跡を目撃させてより絶望感を深めたり昼夜問わず繰り広げられる攻撃掻い潜らなければならないなど、様々な困難や描写などが非常に細やかに施されています。そんな中で交わされる言葉も素晴らしく、まさしく隙のない物語が繰り広げられるんです!このストーリーも相まって、完璧に没入させられます!

ここに注目してみて(ネタバレ!)

ここから先はネタバレも含みます。とてもお話ししたいのでします。すいません!是非とも観賞後にお読みください!

ワンカットの裏側を少し解説!(ネタバレ)

予告や宣伝でも散々謳われている、全編ワンカット。しかし、物語のあらましだけでも見たらわかるように、ざっと計算しただけでも12時間以上もある話です。じゃあ、どうワンカットにして見せてるのか。予めお断りしておきますが、勿論ワンカットで撮られた訳ではないです。しかし!想像以上にワンカットでありましたね!

全編ワンカットというと、やはり「バードマン」が最近だと挙げられるでしょう。あれは舞台の上映にまつわる3日間をワンカットのように繋げて見せています。それだけでも相当凄い。太陽や月を描くことで時間経過を表していたり、登場人物一人一人に様々にフォーカスが当てられる仕様になっていました。

しかし、今回のはまた違います。今回フォーカスが当てられるのは、スコフィールドとブレイクほとんどこの2人のみ。カメラはこの2人から逸れることなく、始終付き纏っています。観客はこの2人の危険な旅路に否応もなく付き合わされます。さらに、戦場であることから、爆発や発砲も絶えずあります。しかし、それでもカメラは彼らを捉え続けるんです。塹壕での爆発シーンはとても迫力がありましたね。基本爆破の後でカットが変わったりするんですが一切なく、さらにその衝撃で崩れてくる塹壕からの脱出もワンカットで寄り添い続ける、さらにそこからもずっと…本当にどうやって撮ったんだろう⁈監督達はそんなこと気にしないで欲しいでしょうが、やっぱり気になっちゃいますね(笑)

まずは脚本面から見てみると、この物語は塔でのスコフィールドとドイツ兵の撃ち合いのシーンで一度時間を飛ばしています。今まで散々途切れることなく続いた映像が突然暗くなるのは見ててとてもびっくりしました。あの瞬間で物語は終わったのか…?そう思わせてもおかしくないシーンです。その後、一命は取り留めたスコフィールドは目を覚まし、再び任務を遂行するところから再びカメラが止まらないんです。これは非常に良いですね。ワンカットで時間を飛ばすのはとても至難の技。それならいっそ映像ごと飛ばしてしまう。こうすることで新たな緊迫感が生まれます。何故ならあのシーンがあったから。それによりさらに物語に集中させてしまうんです。見事ですね。

そして技術面、スタッフ面からも少ししていきます。ワンカットに見せるように、シーンはテイク毎に細心の注意が払われています。僅かな誤差もないよう、スピードや天候、キャストやセットなど、全ての要素の詳細にまで完璧に合わせてあるんです。そのため、実に4ヶ月ものリハーサルをされています!監督曰く、通常の5倍!

セットすべての角度から撮れるように全て作られており、ロケ地イギリス全土に渡って敢行されています。あの塹壕や川なども本当に作ったりやってるんです!さらに撮影期間65日間と決して多くない上、自然光による撮影を敢行したので、全てのシーンで天候を合わせるため曇るのを待ち、さらに本番当日もリハーサルを行い本番では全員が滑らかに動けるように、まるでバレエのように連携を取って撮影したという…例えばあるシーンではカメラマンがワイヤーを使って撮影し、その後そのままワイヤーから外し走ってトラックに飛び乗り、その後また別のカメラマンがトラックを降りて走る…もう、エグいですね…各ショット15〜40テイクも重ねたとのこと!(爆発とか準備が大変なのは4テイク程だったとか)

また、役者が生身で演じているのでどれだけリハーサルを重ねても、本番では予期せぬトラブルがあるものです。例えば、最後の塹壕でのダッシュでは何人かにぶつかってますが、あれは予想外の出来事でした。しかし、それがよりリアルに仕上がっているのが分かりますね。どれだけワンカットで撮ろうとしても、そのようなハプニング嬉しいアクシデントと捉えて作り上げたサム・メンデス監督。本年度アカデミー賞で最有力候補と言われたのも頷けるほど、恐ろしい手腕です!

撮影監督はアカデミー賞常連のロジャー・ディーキンズ。本作で2年連続オスカーとなりました。サム・メンデスとは「ジャー・ヘッド」「レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで」「007 スカイフォール」などでタッグを組まれています。また、編集リー・スミス「ダークナイト」「インセプション」「ダンケルク」などクリストファー・ノーラン作品を手ががけ続けており、監督とは「007 スペクター」でタッグを組んでいます。プロダクション・デザインデニス・ガスナーという方で、「地獄の黙示録」からキャリアをスタートしており、監督とは5度目のタッグ製作ビッパ・ハリスと監督は長年のパートナー、音楽トーマス・ニューマン「アメリカン・ビューティー」からのタッグ!まさしく、サム・メンデス組と言わんばかりの面子です。このような信頼感あるチームだからこそ成し遂げたワンカット・ミッションなんです!

さらに、技術的進歩もこの映画には欠かせません。撮影中、どうしてもスタッフが入ってしまっても、後でVFXで消して処理することが可能になります。また、撮影監督のロジャー・ディーキンスは長年撮影カメラとしてアリフレックス(ARRIFLEX)を使用されています。これは映画のエンドロールで見かけた方もいらっしゃるであろう、「ARRI」アーノルド&リヒターというドイツ映画用機材メーカーが販売しているカメラの名前です。今作ではこれまであるアレクサLFというカメラからさらに小型化したアレクサ・ミニLFを用いて撮影されています。ラージフォーマット、要は大きなスクリーン(例えば35mmとか)に描き出す為には、それなりにしっかりとしたカメラが必要です。しかし、このワンカットのように躍動感を持って撮るためには従来のだと大きすぎたのです。なんと、偶々開発中だったものを、この撮影の為にカメラテストの2019年2月に試作品を作り、撮影の時には3台も完成させたとのこと!現在では商品化されています。最新型のカメラの誕生も、この映画の完成には欠かせなかったのですね。

彼らを待つ運命

この映画はサム・メンデス監督の祖父にあたるアルフレッド・H・メンデスさんが上等兵として従軍した第一次世界大戦の体験自叙録として書いたものがベースになっています。このことから、今作ではサム・メンデス監督自身が脚本を手掛けているんです。また、この第一次世界大戦のドキュメンタリーである「彼らは生きていた」を見たことによって、この映画がよりリアルに伝わってきます。そしてあの映画では主にイギリス軍の物語として作られていますが、今回はドイツ軍の描写もしっかり描かれているのでそこがまたより深みを増しています。

まずこの物語は前線で総攻撃を仕掛けんとするマッケンジー大佐率いる部隊をエリンモア将軍達本部が止めるという構造。これは先にも言った「ダンケルク」と共通する点ですね。戦争映画というと攻撃をして攻略するのがもっぱらだったけど、ここ最近は栄誉ある撤退や中止を描いたものが多くなっているのはとても興味深いです。やはり撤退というのはある種負けを見せていることになるので、戦争というものに対しての見方がどんどん変わってきているような気がします。

そしてこの伝令を託されたスコフィールド上等兵とブレイク上等兵。ブレイクは地図が読めるだけでなく、自身のお兄さんが所属する部隊なので、やる気漲り躍起になってますが、ある種スコフィールドは巻き込まれた状態。ここがまたいいですね。目的地のクロワジルにこの伝令を早く伝えるためには、敵の塹壕やまだ敵がいる地帯を渡っていく必要がある。しかしそこにはノーマンズ・ランドという場所があり、そこを突っ切るという無謀すぎることをしなければならない。既に軍部からメダルを貰っているスコフィールドは何処か「自分じゃなくても」感が最初はあるんです。

死体や砲弾跡だらけを抜け、いざドイツ軍の塹壕に辿り着き、その凄さに驚愕する2人実際ドイツ軍は非常に優れた防衛線を張っていたらしいので、イギリスとの差を見せられ驚嘆します。さらにドイツ軍は撤退する際にを仕掛けていて、それが非常にいいスパイスと驚愕のシーンを生み出しています。この爆発でも一切カメラが逸れないので、見てるこっちが思わず顔を背けてしまうほど。素晴らしかったですね!この死地を乗り越えたことにより2人の仲が深まり、より友としての絆が増します

そこで明かされるスコフィールドの裏。彼は貰ったメダルをワインと交換してしまっていたんです。彼は既にこの戦争で褒章をもらっているにもかかわらず、この戦地から帰ろうとしないんです。これは「彼らは生きていた」を見ていると、ここがより深まります。当時は戦争に行くことに対しての世間の反応と家族の反応がややズレていたり、彼自身、戦争というものをあまり分かっていない若者。そんな彼がこの戦地を体験してしまい、帰ることが怖くなっているんです。ブレイクのお兄さんとの思い出話を聞いてさらに「どうせ家族も迎えてくれない」と言いながら、このミッションをこなすことに躍起になり出します。

そして農園のシーン。ミルクがいい伏線になってましたね!そして飛行機が墜落するシーンはとても迫力あって凄いです!一度丘の下に潜ったかと思いきや浮上して2人の元に落ちてくる…この飛行機に乗っていたのは、敵軍であるドイツ兵。ここで2人はこの敵兵を助け出します。「何故?」と思うかもしれませんが、ここの助け合いのシーンはとてもグッときます。この戦争は、ある種イギリスにとってもドイツにとっても憎み合う敵ではなかったというのが、「彼らは生きていた」で語られていますが、それを心底体感する所でした。殺し合いを繰り広げるのではなく、戦いが終わったあとは互いに助け合う

しかし、日本だと第二次世界大戦の時に神風特攻隊というものがあったので若い人も乗っていたイメージがありますが、当時は熟練の人、ようはこの戦争前から軍にいた猛者とも呼べる人。これが仇となり、なんとブレイクが刺されてしまいます。スコフィールドは敵兵を狙撃し助けようとしますが、志半ばでブレイクは力尽きて亡くなってしまいます。仲間、戦友とも呼べるブレイクが亡くなったことで途方に暮れるスコフィールド。そこに友軍が到着し、丁寧に葬られるブレイク。それを見てスコフィールドはこの使命に対し完遂する決意を固めます。友軍の兵士達の雑談に混じったりすることなく、「一早く届けねば、ブレイクの兄すら失ってしまう」と躍起になります。さらにここでは、戦闘を止めるのに躍起になるスコフィールド戦争を終わらせるために躍起になる軍人との対比スミス大尉によってほのかに語られています。ここはのちに語ります。

塹壕同様、周到に撤退したドイツ軍に行手を阻まれるスコフィールドはドイツ軍の狙撃にあい、時計台で半ば相討ち同然の幕切れをします。ここでワンシーンが終わるというのは、その前にブレイクが亡くなったこともありより彼の身を案じてしまいます

夜明け前の暗い闇の中、目覚めるスコフィールド。そんな彼の前に、猛然と燃え盛る火の手と大破した街並み。ここ、「戦場のピアニスト」のような光景が広がってますね。当時は火炎放射器が主力の武器になるので、ひょっとしたら先の友軍がやれているのではとヒヤヒヤします。

そこを抜けようとしますが、ドイツ軍の手中であることから攻撃に合うスコフィールド。たまたま逃げ込んだ家屋には、自分と同じくらいの女性と乳飲み子が。彼女はフランス人で彼とは意思疎通が困難ですが、僅かに交わされる会話に心休め、食糧もミルクも与えて、赤ちゃんをあやす。もしかしたら、スコフィールドがイギリスに帰っていたらこのような風景が広がっていたのではと思いますね。さらにフランスもまたこの戦争には巻き込まれた形になりますので、なんというか、やるせないですね。地図をなくしたスコフィールドはクロワジルの場所を聞き出し、再び任務を遂行します。

しかし彼女が諫めたように、外には敵軍が。ここで初めてスコフィールドは敵のドイツ軍の人間と面と向かって対面します。そこには、自分と同じような歳の若者。ここもまたハッとしますね。なんとか殺しあわずに済ませたいが、しかし虚しく、彼はドイツ兵を絞め殺してしまいます。銃で殺すのとは違い、この自分の手で人を殺めるのを描いていて、見てる側は思わず悲しくなります。

敵の襲撃を辛くも逃れ、川に落ちたスコフィールド。「レヴェナント」のようですね。そこには様々な戦死体が水の中見るも無残な姿で沢山浮いています。その中を這いずって生き延びたスコフィールドは、森の中でとある軍と遭遇します。そこではある兵士が歌を歌っていました。その歌は「Wayfaring Stranger 」。これ実は古いアメリカの宗教歌です。

I am a poor wayfaring stranger
While traveling through this world of woe…
Yet there’s no sickness toil nor danger
In that bright world to which I go

I’m going there to see my father
I’m going there no more to roam
I’m only going over Jordan
I’m only going over home

I know dark clouds will gather round me
I know my way is rough and steep…
But golden fields lie out before me
Where God’s redeemed shall ever sleep

I’m going there to see my mother
She said she’d meet me when I come
I’m only going over Jordan
I’m only going over home

I’m going there to see my Savior
To sing his praise forever more
I’m only going over Jordan
I’m only going over home

私は貧しい彷徨(さまよ)える人。
苦難に満ちたこの世界を旅した。
私が行きたいのは病気や苦役や危険が無い
その明るく輝いた世界。

そこには父が待っていて、
もう彷徨わなくていいよと言う。
ヨルダンを越え、
家も捨てて行く。

暗い雲が私を取り巻いているし
その行く道は急で荒れている。
しかし光輝く平野が私の前に拡がって見える。
そこは神にゆるされた者たちが休むところ。

そこには母が待っていて、
よく帰ったね。お帰りと言って呉れる。
ヨルダンを越え、
家も捨てて行く。

救いの神は美しい歌を歌って呉れた。
お代はと言うと神は永遠がそうだよと言う。
ヨルダンを越え、
家も捨てて行く。

彼はこれを聞き、思わず打ちひしがれます。なぜなら、彼の旅は終わっていないから。既に日は昇り、早朝の攻撃が開始されているかもしれない。しかしこの歌のように神はいたんです。この部隊こそ、まさに今から総攻撃を仕掛ける部隊。こここそがクロワジルだったのです。

それを知り、猛然と歩を進める。しかし大佐が見当たらない。そうしてるうちに今にも突撃が始まりかねない。意を決したスコフィールドは塹壕を上り、雨霰と降る砲弾と突撃する兵士達の中、走りますこれ以上、彷徨わないように。これ以上、失わないために。旅を終えるために。亡きブレイクの想いを遂げるために。予告でも映っていましたが、素晴らしい迫力!突撃する兵士とぶつかったりするところはまさに嬉しいアクシデントですね!

そして遂にマッケンジー大佐を発見、攻撃中止の伝令を伝えます。しかし、大佐はその命令を戯事、負け犬の遠吠えのように流し、第二陣の突撃命令を出そうとします。敵が撤退していないと言っても聞く耳持たず。先のスミス大尉の言葉がよぎりますね。エリンモア将軍からの伝令を渡し、大佐は渋々承諾。無事に攻撃は中止されます。大虐殺一歩手前で、なんとか阻止することが出来たんです

何故マッケンジー大佐は頑なに攻撃しようとしたのか。それはやはり戦争の途方も無さを知っているから、この作戦によって戦況を変えられると信じていたからでしょう。この第一次世界大戦は1914年から始まりました。この戦争は各国から軍が集まり、連合国対中央同盟国という構造になって戦った、まさしく史上初めての世界大戦。そして近代兵器が大量投入された戦いにもなります。要は、今までの戦争とは遥かに比べるものが違うということ。そしてそれは想像以上に長引くことになります。この映画の年代はタイトル通り1917年既に3年もの月日が経過しているんです。こんな事態になると、誰が想像したでしょうか。さらに、イギリスとドイツは直接的には関係のない国なんの恨みもないんです。だったら、何故こんな闘いをしているのか。そんな疑問を誰もが感じずにはいられません。マッケンジー大佐は攻撃中止の後、こんなことを言います。「戦争を終わらせるには必要なのだ。闘いに勝った者とは、最後に立っていた者だ」彼も彼でまた、この戦争を終わらせる為に走っていた彷徨える者だったのでしょう。

攻撃は中止され、次々と負傷兵が運ばれてきます。スコフィールドはブレイク中尉の名前を呼び続けます。そしてついに、指揮をとっているジョセフ・ブレイク中尉を見つけ出します。弟のブレイク上等兵と共に来た、彼は亡くなってしまった、突然の出来事であったことを告げます。悲しみで途方に暮れるブレイク中尉。そんな彼にスコフィールドはブレイクのお母さんに手紙を書かせてほしいと頼みます。命の恩人の彼のために、友として、彼の最期を知る者として。快諾を得た彼は、草原に生えた一本の木の根元に腰を下ろします。映画の始まりも、彼は木の根元にいましたね!

おもむろに開けた胸にあったケース。劇中でも度々出てきてましたね。その中には家族の写真が。その裏には母親からのメッセージが。

「無事に帰ってきてね」

痺れます。泣けます。彼はこの使命を通じて、とうとう帰るべき場所を見つけられたのです。先の歌のように書くと、行きたかった場所を見つけたんです。それは戦場に赴いたことで一度は拒否をした、祖国の故郷だったのです。こうして、彼らの使命と彷徨う旅は終わりを告げるんです。

ここは、「彼らは生きていた」のピーター・ジャクソン監督の作品「ロード・オブ・ザ・リング」「ホビット」の原作者であるJ・R・R・トールキンとも繋がってきますね。彼もこの第一次世界大戦に従軍し、この作品群を作っています。とくに「ホビット」はゆきてかえりし物語、ですからね。何かを探し求め、彷徨い、見つけ、そして帰ってくるんです

最後に

いかがでしたでしょうか?

凄まじい映画でしたね!圧倒的な没入感、だけでなく、すべてが繋がっている。少しでも共感いただけたら幸いです。

技術やストーリーばかりになってしまいましたが、英国俳優オールスター集結のような豪華キャストなのでそこも良いですね!特に、マッケンジー大佐演じるベネディクト・カンバーバッチは、ともすれば無能とも見られかねない人物一瞬でありながら奥深く演じてましたね。長回しの撮影というのはある種演劇に近いので、その素晴らしさも見れるものなんじゃないでしょうか。

また、近々取り上げますが、ナショナル・シアター・ライブ、通称NTLという、イギリスの舞台を映画館でも見られるというものがありまして、何と今年のラインナップにサム・メンデス監督が演出している舞台「リーマン・トリロジー」が上映されるとのこと!こちらも是非見たいですね!

 

このNTLについては以前に少しだけまとめたものがありますので、そちらも良ければどうぞ。

 

映画「1917 命をかけた伝令」本日2月14日(金)公開です!是非ともフルスクリーンで堪能してください!

 

あと、「彼らは生きていた」も絶賛公開中!この映画をより深く、だけでなくドキュメンタリー映画としても完成度がエグイので是非この機会に!

ちなみに、今作はおそらくドルビーシネマドルビーアトモスといったシネスコサイズで音響が良い劇場の方が監督たちの見せたいものを観れるらしいですが、IMAXもそれを補って余りあると思います。とにかく大音響&フルスクリーンで!

あと、誰かチョコをください。(最後で台無しにするやーつ)

それでは最後までご覧いただきありがとうございました!

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